東大 生物情報学科、学部生の備忘録

東京大学の学生です。日々の気づき、学び、つまづいたことをメモにします。

MENU

医学部は理系なのか

はじめに

本記事では、理系のトップとされている医学部について、述べたい。 私の意見はこうだ。すなわち、

医学部は理系だけでなく、文系の学生も入って良いのではないか。

医学部の実態

今からのべる話は、僕の友達の医学部勢(15人くらいはいる)の様子を見て思うことであり、その情報は特に新しいものでもないだろうし、公平な調査のもとで得られた結果でもないと断言する。しかし、それでもある程度は事実に準拠していることだとわかってほしい。

医学部の友達や、高校・予備校の先生などはみんな口を揃えていう。「医学部の勉強は暗記暗記暗記!数学なんてこれっぽっちもやらなくなったよ。いかに効率よく暗記をするか、つまりは効率のよい暗記方法の勉強が始まるのだ」、と。

このことからわかるように、医学部では数学や物理を扱うことはほとんどなく、基本的に暗記をしているのである。実際の臨床の練習では、手を動かしての演習があると思うが、それも別に数学を利用しているとは言い難いだろう。若干の理科の知識は必要とされるかもしれないが、そういった解剖に必要な知識等は医学部に入ってから学べるだろう。

医学部受験の実態

医学部受験について、述べたい。医学部を受験する学生は様々だ。

  • 両親や親戚が医者であり、その後継となるように教育され、医者を志す学生
  • とりあえず成績が良く、プライドが高いため、最難関と言われる医学部を目指すことになった学生
  • 自分や身内が医者にお世話になったり、ドラマに影響を受けたりして、医者に憧れ、医学部を志す学生
  • 年収目的で挑む学生

のようなタイプに分かれると考えられる。 ここで注目したいのは、二番目に書いたタイプの医学部受験生である。こいつは厄介であり、医学に対して特段のモチベーションがない状態で、自分のプライドのため、理系の最難関である医学部を受験するのである。「医学部受験をできるのに、理学部なんかに行こうもんなら、周りに逃げたとか言われて恥をかいてしまう。」、といった感情、すなわちプライドが駆動力となっている学生である。こういった学生は、医学部ではなく理学部がトップの世の中であれば理学部を志しているだろう。

今述べた、タイプ2 の学生を医学部に取られたくないというのが、僕の主張の一つである。プライド駆動であれ、医学部に合格できるほどの実力を身につけた学生は、今後本当に魅力的な学問に出会った時、凄まじい吸収力で全てを身につけ、新たな発見をするだろう。研究者として、日本に必要なのである。 たとえば、医学部に余裕で合格できる実力を持つ理系学生でも、医学部に受かってしまえばそれ以降、数学や理科を勉強することはなくなり、暗記志向型の勉強に切り替わってしまう。これは、もったいない。

優秀な理系の学生を医学部に取られることのデメリット

ここでは、本当に優秀な理系が多く、医学部にいってしまうことについて、述べたい。 そもそも、医学部に合格できる学生は、理系の中でもかなりずば抜けて頭が良い。というか、数学理科が強い。そういった学生が大学に入って、暗記主体の勉強に切り替えてしまうのは、どう考えても勿体なさすぎる。そういったずば抜けて優秀な理系にこそ、理学や工学の最先端に立ってもらい、日本の科学技術を引っ張っていってもらわなければならないのに。ひょっとしたら、日本の理系大学受験に根付いている医学部志向主義のせいで、日本は国際競争に遅れをとっているのではないだろうか。

また、医者というのは、基本的に限られた地域社会で暮らすものである。病院に固定されることが多いであろう。その点からも、理学部や工学部の学生よりは、どうしても日本国内に閉じた人生になるのではないだろうか。これに関しては、国際交流が加速している現代では、ある程度マシになっているかもしれないが。

ここまでのまとめ

ここまでの議論をまとめると、

優秀な学生こそサイエンスの最先端に立ち、日本を牽引すべきなのに、暗記主体で国内に閉じこもる可能性の高い医者になってしまい、その結果として科学技術の競争に出遅れているのではないか。

といったことになる。

解決策

ここまでの話が長くなってしまったが、解決策は簡単である。 すなわち、文系の学生も医学部を受験できるようにするというだけである。 そうすれば、

  • 文系学生が医学部受験枠の一定割合を占めるため、全体の枠に対する理系学生の枠の割合が減り、理系学生がより多く、他の学部に流れる。
  • 医学部は文系科目でもあるという認識が広まれば、「理系最難関の科目としての医学部」は崩れ去り、理学部や工学部、薬学部が注目される時代が来るはずである。その結果、優秀な理系学生がプライドのために、とりあえず医学部を受けるということがなくなるかもしれない。

このような方策をとれば、日本の優秀な理系学生がきちんとサイエンスのフロンティアに立ち、日本を引っ張っていく未来を迎えることができるだろう。

文系学生が医者になって大丈夫?

文系学生が医学部に合格しても、その先が不安かもしれない。しかし、それは心配無用である。

  • そもそも、医学部受験をしている理系学生は、「生物」を高校でやっていることが少なく、生物に関する知識で言えば、文系学生と変わらないレベルである。(さらに言えば、医学部は、大学に入ってからでもなんとかなりそうだと僕は思っている。)
  • 病気の原因を推察するために必要な論理的思考力が必要とされる場面もあるだろう。これは理系の分野だという人がいる。そんなわけがない。もしそうだとしたら、文系は何を勉強していた?文系だって、大学受験を経て、論理的思考力を身につけている。理系の特権のように思わない方が良い。
    • 現代文や社会の論述をやっている学生であれば、論理的思考力は非常に高いはずである。理系の学生はあまり文系の学生を見下さない方が良い。
    • (とはいったが、2次試験で現代文も社会も数学もやっていない学生には、正直医学部は難しいと思う。)

このようなことからわかるように、文系の学生であっても、十分勉強していれば、医学部に進学しても特段の問題はないように思われる。

まとめ

文系学生も、医学部に進学することができるはずである。 理系の優秀な学生が医学部に流れてしまわないように、文系学生も医学部を受験できるようにする必要がある。

最後に

拙い文章ではあるが、日々考えていることを少しはアウトプットできたように思う。意見があれば、コメントをいただければ嬉しいです。

関連記事

ut-bioinformatic.hatenablog.jp

ut-bioinformatic.hatenablog.jp

ut-bioinformatic.hatenablog.jp

ut-bioinformatic.hatenablog.jp

ut-bioinformatic.hatenablog.jp

ut-bioinformatic.hatenablog.jp